素材在庫5月末 建築資材 過剰感強く

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産業素材の在庫過剰感が依然として強い。業界団体の統計をもとに判断した5月末の主要15品目のメーカー在庫状況は「過剰」「やや過剰」が前月と同じ10品目に上った。特に建築資材は国内需要が鈍く、鋼材は在庫解消に時間がかかっている。アルミ圧延品は「過剰」に悪化した。

鉄骨に使うH形鋼は大型連休により稼働日数が少なかったうえ、工事の遅れが影響した。問屋からの出荷量は前月比で4割近く減ったケースもあり、回復が見通しにくいとの声がある。
薄鋼も建材向け需要が低調で値上げ機運は急速にしぼんでいる。

セメントは5月の国内販売量が前年同月比8.7%減と前月より下げ幅を広げた。公共事業の低迷が響き、在庫が膨らんだ。

一方、軽油の在庫は前年同月比9%減少。6月の卸価格の大幅な上昇を見据え、5月末に引き合いが強まった。6月は反動で需要が減少するとみられる。合成樹脂は国内出荷が堅調なポリスチレンの在庫が減った。
英国の欧州連合(EU)離脱決定による円高で自動車への影響が懸念される。裾野が広い分野だけに、出荷の下押し圧力が強まる可能性がある。
(日本経済新聞2016/7/9)

時事

投稿者: sc