システム建築 商業建築の1/3を目指す
システム建築とは、一般建築の技術を元に、構造躯体や屋根、外壁、耐震工法などを組み合わせて企画化した商品です。コンビニエンスストアや飲食店などロードサイド型店舗や事務所など仕様の似た用途ごとに標準モデルを用意。工場で部材加工するため、安定品質と工期短縮、低コスト化を実現できます。施工現場での端材発生も減らせます。解体時に一部部材を再利用できることもあり、資源循環型商品としての側面もあります。
システム建築の特徴
標準商品のシステム建築は、設計の負担軽減となり、従来以上にカスタム対応に注力できる。設計時の打ち合わせ回数も減らせ、企画から完成までの期間を大幅に短縮可能。量産効果や端材の削減は建設費にも影響し、在来工法に比べて15%超の削減が見込める。
採用広がる
大和ハウス工業は事業用建物の工業化を推進する。自社工場で主要部材を生産するシステム建築の提案を強化する。建設業界で今後想定される資材高騰や人手不足に対応。既存の顧客からの受注を狙う大型物件などには商品群を拡充した。施主に工期やコストの削減、環境への配慮を訴求する。現在の商業建築全体に占めるシステム建築商品比率は約25%。2-3年内に33%超に引き上げる目標を掲げる。
大和ハウスは住宅同様に、商業建築の工業化を推進しており、多店舗展開の小売業などに採用が広がっている。これまで用途に応じた5種類の商品を展開し、2014年度は406棟の施工実績がある。
このほど、サービス付き高齢者住宅(サ高住)、ホームセンターやショッピングセンター向けの商品を開発した。両分野は今後も堅調な需要増が見込まれ、同一事業者の複数棟展開も想定される。本部への提案を重点的に行ってニーズに応じた専用プランも検討。一層の量産効果を期待する。
高齢化の進行で、サ高住の需要は伸びており、価格競争も想定される。そのため、標準タイプに加え、コスト競争力を高めた普及タイプも用意した。両商品をベースにカスタム対応する。躯体のみのシステム建築商品であれば、レイアウトなどの自由度は高い。
(日刊工業新聞2016/1/22)
