坪拾いのユーザー様向けに、月2回『坪拾い通信』を配信しています。 『操作に関するワンポイントアドバイス』・『住宅に関するニュース』・『サンユーからのお知らせ』などお伝えしています。
今回は、Vol.40・Vol.41から時事ニュースだけ抜粋し、お伝えしようとお思います。
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最近の住宅着工動向と見通し
2013年の住宅着工戸数は前年比11.0%増の98万戸となりました。この背景は…
最初にまとめると、着工戸数の増加はアベノミクスによる景気の回復に加えて、
?住宅ローン金利の先高感
?住宅価格の先高感
?消費税の引き上げ
という3つの先高感によると考えられます。
・アベノミクスの中の金利政策の一環で、日銀による長期国債の大量購入が行われ、これにより国債利回りは低下、ほぼ連動して住宅ローン金利も低下。過去にない低金利となりました。
・住宅ローンの利用者に金利の先高観が生じ、住宅取得を促しました。それ以外にもマンション販売の好調さを受けて、都心部を中心にマンション価格が上昇したことや、建築業の人手不足などから住宅価格にも先高観が生じました。
・また、4月から増税により、引き上げ前の税率適用を目的とした駆け込みが発生しています。
上記のように着工戸数は回復していますが、グラフで見ると「分譲マンション」と「賃貸」はリーマンショック時よりの低い水準です。一方「分譲一戸建」と「持家」はリーマンショック以前の水準に戻っています。これは賃貸のオーナーや不動産会社が、相続税などの税制の改正や景気の改正や景気の先行きなどから事業計画を立てますが、後者は施主である住宅取得者の需要を直接反映しているためと考えられます。
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では2014年の着工戸数はどのような見通しになっているのでしょうか。
14年に入ると、1月まで前年同月比で2桁台のプラスだった住宅着工戸数の伸び率は2月になると同1.0%増の6.96万戸へと減速しました。
この動きは97年の消費税引き上げ前の住宅着工戸数をグラフにした時とほぼ同じになります。
増税前の駆け込み着工の反動減が表れたとみられます。97年は6月頃から着工が減少、さらに11月以降に現象傾向が鮮明になりました。当時はアジア通貨危機が発生し、アジアに進出していた邦銀に打撃を与え、金融システムに不安が発生しました。しかし現在は当時と違って金融システムは安定しており、金融面での不安は小さいと考えられます。
また、今回は増税の反動減への対策として、住宅ローン減税の拡充や新たに「住まい給付金」制度が導入されました。
更に労働市場に目を向けると、昨年12月以降の傾向から、労働市場が売り手市場になることが予想されます。大手企業では業績改善からベア実施などの機運が高まっており、4月に実施されれば消費者のマインドが改善し、増税の反動から比較的早期に持ち直すことが期待できます。
主要シンクタンクの予想では、着工数の予測値の平均は前年度比13.0%減というもの。しかし前述の理由から、今回14年度の反動減は、97年の増税時ほど大きくならないのでは。との見方もあります。
年度当初こそ駆け込み着工の反動減により、相当低い水準になる可能性が高いものの、ベアの実施などが実現すれば底堅いニーズのある持ち家を中心に次第に持ち直し、14年度全体では90万戸近い水準になる可能性も期待できそうです。
(日刊工業新聞2014/4/22より)
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