
屋根を拾い出したいのですが、今回もらった資料が手書きの絵に屋根の実測値が書かれたものしかありません。
こういうときはどう拾えばいいですか?

実測値ということは、ケラバや隅棟などは勾配を考慮した寸法になっているということですね。
その寸法で屋根伏図を作るとすると、勾配係数を掛けない0寸で作ることになります。
しかし0寸の場合、屋根の形によっては1つの屋根伏図にまとめて書くことが難しい場合もあります。
一面ずつ部材配置モードでサイズ入力で面積を作って拾いましょう。
部材配置モードで面積サイズ入力する方法
例として下図のような切妻屋根の実測値があるとします。

【部材配置】モードに入ります。「屋根面積」を選択します。
勾配は0寸にしておきましょう。

まずは長方形の北面。長方形や正方形の屋根の場合は、四角形のサイズ入力を使います。
適当なサイズで四角形を作り、サイズ変更の画面に正しい寸法を打ち込んでOKします。

次に南面。この面は四角形ではありませんので、多角形のサイズ入力を使います。
書き始めの点を図面上でクリックし、そこから「長さ」のところに寸法、線を伸ばしたい向きの方向キーを押して、一辺ずつ描いていきます。始点(赤丸)の1つ手前の点までかけたら、最後にEnterキーを押すと面積確定となります。
(屋根伏図の外壁線入力と同じ要領です!)

面積を拾うことができました。
軒先やケラバなどの役物が必要な場合は、1つずつ手動でライン入力してください。
寸法を表示させたい場合は、寸法線を追加してください。(参考:寸法線の表示)


隅棟・谷などの斜めの辺がある屋根の場合はどのように書けばよいでしょうか?

斜めの辺は多角形サイズ入力の中でも「斜め線入力」を使います。
例として、下図のような三角形の面を書いてみましょう。

まずは真っすぐな2730mmの下辺を、多角形サイズ入力します。
次サイズ入力画面の中にある【斜め線入力】ボタンをクリックします。

例のような三角形の情報があれば、斜め線の入力方法は二通りあります。
方法1:直角入力
斜めの線の水平距離と垂直距離をもとに入力します。
入力手順は①水平サイズ入力→②キーボードの方向キーで線の方向(←→)を指定→③垂直サイズを入力→④キーボードで線の方向(↑↓)を指定です。(※垂直距離、水平距離の入力順は逆でもOK)
例えば、今の点から右上に進みたいのであれば、水平方向は→矢印、垂直方向は↑矢印を入力します。
例:1365 [←] 1470 [↑] ※1470[↑]1365[←]でもOK

方法2:斜め線入力
斜め線長さと水平(or垂直)距離をもとに入力します。
入力手順は、①斜めの長さを入力→②水平(もしくは垂直)サイズを入力→③キーボードの方向キーで線の方向を指定→④もう一方のサイズが自動入力されるため、方向をキーボードで指定します。
例:2006 1365 [←][↑] ※2006 1470 [↑][←]でもOK

斜めのラインを作れたら、最後はEnterキーで面積確定します。

なぜ実測値で屋根伏図を作るのは難しいのか?
屋根伏図を作るときの鉄則として、隣り合う面が同じ勾配であれば隅棟・谷の角度は必ず45度になるというルールがあります。
しかし実測値で書く=斜めの部分を無理やり平面に展開させることになるので、角度は45度ではなくなります。
たとえば左のような4寸の屋根伏図も、実測値で面を書くと右のようにバラバラになります。
隅棟や谷がある場合は、0寸で1つのまとまった形にすることは難しいことが分かります。

もし実測値から屋根伏図を作る場合は、勾配がかかる部分は伏図寸法に直してから、勾配を設定して作る必要があります。
<補足>
・屋根の外周に流れ長さを含まない寄棟屋根であれば、外壁線を入力して勾配を設定すれば屋根伏図を作ることができます。屋根全体が寄棟になる場合は、出幅0で屋根伏図を作るほうがオススメです。
・実測値はおおまかな数字で取られていることも多いため、すべて図面通りの寸法で作図できない場合もあります。その場合は優先する寸法を決め、形状が合うようにその他の寸法を調整しながら作図することになります。この場合多少の誤差が出る可能性があることをご理解お願いします。
