【坪拾い】屋根伏せ:母屋下がりの設定方法

坪拾い屋根伏せ図モードにおいて、母屋下がりを設定する方法です。

母屋下がり(もやさがり)とは:
外側の桁の天端が、他の桁よりも下がった状態のこと。
母屋下がりがあると、下図のようにケラバが付き軒が下がっている形状の屋根になります。
図面によっては立面図や平面図に母屋下がりの寸法が記載されている場合もあります。


設定方法

下図の物件を例に説明します。
この物件の屋根は、南側の桁が一部母屋下がりになっています。
東西面を見るとその部分だけ2階軒高より下がっていることが分かります。
また東立面図に「母屋下り」という900mmの寸法線があります。これは外壁端の900mm内側から母屋下がりになることを表します。

作図手順

通常の寄棟形状で屋根を作成します。

左側のメニューから【桁上げ・下げ】ボタンを押し、母屋下がりの軒のラインをクリックします。
桁上げ下げ設定画面が出たら、桁を下げる・900mm で設定しOKを押します。
これだけで母屋下がりの設定完了です!


ワンポイント:袖(けらば)の設定はいらないの?

母屋下がりの部分は斜めの袖(けらば)になっています。
【軒袖変更】モードで「袖」にするべきでは?と考えられますが、桁下げの設定だけでOKです。

桁下げをした段階で、システムが母屋下がりの形状と判定し、自動でけらばを付けてくれます!




【坪拾い】サイディング等の材料で予備分の数量を拾う方法(+1・-1の拾い)

こちらの記事では積算結果にプラス・マイナスさせる部材登録の方法をご紹介します。
材料の予備を考える場合にご利用いただけます。

※注意点
こちらの記事で紹介する内容は、[部材登録]を操作します。
部材登録についての基本操作は部材登録マニュアルをご参照ください。
積算結果の内容に関わる為、操作がご不安な場合はサポートセンターまでご相談ください。
記事全体をお読みいただき、各方法のメリット・デメリットの内容を十分にご理解いただいたうえでご利用ください。
また、設定後は必ず想定した数量で増減(+1・-1)されているか、積算結果を実際に確認するようにしてください。




方法1:「予備用の拾い項目」を利用する

◇メリット
・自動計算された結果と増減させる項目が分かれるため、見た目で分かりやすい
・入力の有無で増減を決めることが出来るため、物件によって対応できる
◇デメリット
・全物件に固定して増減させたい場合は、毎回物件に入力が必要
・[通常表示]の積算結果では行が分かれて集計されるため、総数を見るためには[合算]または[グループ合算]の集計を見る必要がある

登録方法

1点入力の拾い項目を用意します。1物件のどこかに1つ入力をしておきます。

例)サイディングに「+5」枚する場合の拾い項目
拾い項目名:「予備」 入力方法:1点入力
・登録部材:サイディング 根拠:個数 計算式:1

積算結果では「面積」と「予備」がそれぞれ積算されます。
行が分かれているため、合算した数量を見る場合は「合算」または「グループ合算」を利用します。


方法2 計算式に組み込む(上級)

◇メリット
・[通常表示]の結果で総数が出ている
◇デメリット
・計算式に組み込まれているため、必ず増減される(=物件ごとに変えることが出来ない)
・計算式は積算結果の画面上で確認出来ないため、増減している結果が一目で分からない(=増減させる数量の間違いに気が付きにくい)

登録方法

部材登録では計算式のあとに「&」を付けて行います。
「&」のあとにつけた数値は、数量計算後に増減計算されるようになります。

例)
サイディングの枚数を結果数量からプラス5枚する場合→計算式:1&5
サイディングの枚数を結果数量からマイナス5枚する場合→計算式:1&-5

例)
出隅(定尺455㎜)の本数を結果数量からプラス10本する場合→計算式:1/0.455&10

※注意点
「&」を利用した計算式は拾い項目ごと、グループごとに行われます。
複数グループを利用して入力をしている場合、必ず数量が増減されすぎていないか確認を行ってください。
例)グループAもBも同じ検索条件 サイディングの計算式が「1&-5」の場合
それぞれのグループの取り回し他結果の枚数が「31枚」となった場合、積算結果ではグループAもBも26枚(31-5)と出力されます。
そのため、サイディングの必要総枚数は計52枚となります。




物件を圧縮・解凍する

拾った物件のデータを他のPCに送りたい!
PCの容量が圧迫されてきたので、データを整理するためにバックアップを取っておきたい!
物件をサポートセンターに見てほしい!

そんなときには「物件圧縮・物件解凍」機能が便利です。
使い方をご案内します。



※例として坪拾いの画面でご説明しますが、平兵衛くんの場合も同様です。


物件圧縮

タイトルの【物件整理】を開きます。

物件整理画面で、データを圧縮したい物件名をクリックで選びます。
※坪拾いで外壁データのみ・屋根データのみ圧縮したい場合は、項目の丸印を選択してください。
【物件圧縮】ボタンをクリックします。

圧縮先のフォルダを指定します。
デフォルトの指定先は下記のフォルダになります。
坪拾い:      C:\Tsubohiroi\Tsubohiroi_press
坪拾い見積り版:  C:\TsuboMitsu\Tsubohiroi_press
平兵衛くん10:   C:\Heibei10\Heibei_press 
平兵衛くん防水版: C:\HeibeiWP2\Heibei_press

バックアップを含めるかなどのオプション設定を行ったうえで、OKを押します。
確認メッセージは「はい」で進めます。

サポートセンターにデータを共有したい場合は、圧縮時に「サポートコールセンターにメールを送信」チェックを入れると、メールでサポートセンターにデータを送ることができます。

圧縮終了のメッセージが出たら、圧縮完了です。
圧縮後は「作成者名_物件名_[物件].lzh」といった名前の圧縮ファイルが出来上がります。

※圧縮ファイルの名前は変更しないようにしてください。物件解凍できなくなる可能性があります。

他のPCにデータを送りたい場合は、圧縮ファイルをメールやネットワークドライブなどを使って共有してください。


物件解凍

タイトルの【物件整理】を開きます。

物件整理画面が開きます。【物件解凍】ボタンを押します。

ソフトで圧縮したlzhファイルを参照し、開きます。
「解凍が完了しました」というメッセージが出たら、完了です。
スタート画面から物件を開くことができます。


物件の共有方法として、物件圧縮・解凍機能の他に「どこでもデータBOX」という機能がございます。
弊社のサーバーを介してデータを共有する方法です。
詳しくは別記事を参照ください→【どこでもデータBOX】データをサーバーに保存する バックアップをとっておく




【坪拾い】軒天の形状で変わる面積の取り方

坪拾いで下のような北立面図の外壁面積を拾う場合、どの範囲を囲みますか?

面積の形は四角形でOKです。今回の記事で紹介するポイントは「面積の高さ」です。

この北立面図の面積の上部には屋根の軒先があります。
軒天の形状によっては、面積の上部が屋根で隠れているかもしれません。そういったときは、図面で見えている範囲より少し高く面積を取らないと結果が少なくなってしまいます。

ただこの北立面図だけでは軒天の形状を判断することが出来ない為、側面の立面図から確認する必要があります。今回は切妻のある西立面図を見ていきます。


軒天の形状

まず、軒天の形状には「水平軒天」と「勾配軒天」の2種類があります。
水平軒天は軒天裏が地面と水平になっていて、勾配軒天は斜めになっている形状です。

この形の違いを確認したら、次のように面積を取ってみましょう。


軒天の形状と面積の取り方

軒天が水平の場合は、屋根に隠れている部分がないため、北立面図では見えている範囲=軒までの高さを囲みます。見えている範囲をそのまま囲めばいいのでシンプルですね。

一方、勾配軒天は屋根に隠れて見えていない部分があるため、面積の高さは軒の高さよりも少し上まで囲む必要があります。屋根に少しかかるようなイメージで面積を入力しましょう。


さいごに

下図のように比較してみると、1図面だけでも㎡数の差が出てきそうですね。
物件ごとに軒天の形状を確認し、側面の面積をどこまで拾うかを見極めていきましょう。

ただ寄棟屋根のように、東西南北すべての図面で軒しか見えない物件では、軒天の形状を読み取ることが出来ません。そういった場合は、設計者の方にどちらの形状になるかを確認していただくか、㎡数が少なくならない勾配軒天の取り方を使い、少し多めに面積を拾っておくことをオススメしています。




【坪拾い】階段張りの設定方法

坪拾いの割付設定では割付方法を「通し張り」と「馬張り」から選択できますが、
「階段張り」にも変更することが可能です。

設定方法をご案内します。


設定方法

いったんは通し張りor馬張りで面積を配置します。

面積を配置後、右クリックの【割付設定】を選びます。
設定画面の中に「階段張り」という種類がございますので、選択してください。
1段ごとに割付をずらす幅を設定し、OKを押すと、割付が階段張りになります。

屋根などの斜辺に合わせて1段ごとのずれ幅を自動設定することも可能です。
「辺を指定して幅を設定」→屋根面の斜辺をクリックすると、辺の傾きに沿ったずれ幅が自動で設定されます。

※階段張りは面積1面ごとに設定を行ってください。


関連記事:【坪拾い】入力後に割付を通し張りから馬張りへ変更する




【坪拾い】斜め壁の拾い方

平面図上で斜めになっている外壁の拾い方をご紹介します。


入力方法

①立面図の線に沿って面積を入力します。

②平面図より、斜め壁の長さを求めます。
平面図に寸法線で記載があったり、周りの寸法から計算できる場合はその数値を参考にしてください。
平面図から読み取れない場合は、平面図を坪拾いに取り込みマウス距離測定で測ってください。
※マウス距離測定の使い方は→こちら

③入力した面積を右クリックし、【サイズ変更】を選択します。

④横の寸法を②で求めた斜め壁の寸法に変更します。
開口がある場合は、同様にサイズ変更をしてください。


斜め壁を入力するときの注意点

斜め壁は東西南北の正面ではない性質上、立面図の2面にわたって描かれています。
同じ面を重複して取らないように注意しましょう。

今回の例だと、西立面図で面積を拾っているので、南立面図では拾わないことになります。