【平兵衛くん10】天井の振れ止め・ブレース補強は拾えますか?

 天井の懐が1.5メートル以上の場合、振れ止め(ブレース)という補強の部材が必要になります。平兵衛くんで拾えますか?

はい。平兵衛くん10のVer10.08.001より、天井の補強材(水平補強・斜め補強)の本数が拾えるようになっています!設定方法と集計の見方をご案内しますね。

※Ver10.08.001より古いバージョンをお使いの場合はこちらの記事を参照してください。


天井補強を拾うために必要な設定

天井補強が必要になる条件として、天井の懐が1.5m以上であることが一般的です。
そのため、まずは天井フトコロ高の設定が必要になります。


天井フトコロ(懐)高とは?
上階の床スラブ下端と天井との間の空間の高さのことです。
平兵衛くんでは、懐高さは「スラブ高-各部屋の天井高」で求められます。


平兵衛くんでフトコロ高を計算するには、【割付設定】からスラブ高を設定します。
割付設定の[天井フトコロ]という項目の中に、図面名ごとにスラブ高を入力する欄があります。
スラブ高-部屋の天井高=フトコロ高として部屋ごとに計算を行います。

補強に関する設定

天井下地の補強に関する設定は、フトコロ入力欄の下側にあります。

初期設定では補強が必要なフトコロ高は1500mmとなっていますが、変更することも可能です。
補強の名称や定尺なども変更できます。

天井フトコロ設定に関する注意事項
※一部屋につき、懐高さは1種類で集計されます。
勾配天井・天井張り分けには対応していません。
※[割付設定]の情報は次回作成する物件にも引き継がれます。
高さ別集計している吊りボルトが集計されていないと、補強材は拾いだされません。
→吊りボルトの高さ別集計方法はこちらの記事を参照


集計の見方

斜め補強・水平補強の結果は「部材拾い集計」に出力されます。


補足:斜め補強・水平補強の算出方法

補強の算出方法についてご説明します。
算出している本数の根拠について詳しく知りたい方はお読みください。

斜め補強算出方法

斜め補強配置縦・横で設定した間隔をもとに、算出された面積から割って必要箇所数を出力し、1箇所につき4本斜め補強を拾い出します。

例:1500mm以上のフトコロ高が、100㎡あった場合
3600mm×3600mmにつき1箇所補強が必要→3.6m×3.6m=12.96㎡
100㎡÷12.96㎡×4本=30.86…本 小数点以下切捨て→斜め補強30本

水平補強算出方法

野縁受けと同等の長さが必要なものとして算出されます。
野縁受け本数×野縁受けの定尺=水平補強が必要な長さ
水平補強が必要な長さ÷水平補強定尺=水平補強本数

例:野縁受け本数が74本の場合
74本×4m(野縁受け定尺)=296m(水平補強が必要な長さ)
296m÷4m(水平補強定尺)=水平補強74本

※野縁受けを使用されていない部屋の場合、水平補強は算出されません。
※野縁受けの定尺は[各種設定]→[割付設定]―天井下地画面で設定できます。


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【平兵衛くん10】天井下地のフトコロ高別集計




【平兵衛くん】角スタッド天井の設定方法

平兵衛くんではのWバーSバーの軽鉄天井下地に加え、角スタッド天井も拾うことができます。
設定方法をご案内します。


角スタッド天井の設定方法

割付天井下地で角スタッド用の割付天井下地を設定して部屋を入力してください。
角スタッド天井が選択肢にない場合はこちら

画面表示を、モード「天井表示」・割付「下地」にすると角スタッド天井の割付が図面上に表示されます。

割付イメージ

角スタッド : 野縁WW間隔の指定間隔ごとに取り付きます。
ランナー  : 角スタッドと直行する壁と同じ長さで設置されます。

角スタッドは基本的に部屋の短手方向へ割付されます。
割付の向きを変えたい場合は、【天井編集】部屋を右クリック→プロパティ画面の「下地」タブで[向き変更] を行ってください。

※角スタッド天井の場合、野縁受けや吊りボルトは自動配置されません。
必要な場合は[下地]メニューで手動追加してください。手動追加の方法はこちら
角スタッド・ランナーが追加で必要な箇所には
角スタッド→「野縁S」 ランナー→「野縁W」
を選択して追加してください。


集計の見方(部材数量)

角スタッドの部材数量は、部材拾い集計で確認してください。

基本的に角スタッドは長さ別に集計されるため、0.1m単位でスタッド高が分けられ、それぞれの本数が出力されます。
ランナーは定尺で割った本数が出力されます。


角スタッド天井の割付設定

定尺などの設定は各種設定の【割付設定】から変更することができます。
[各種設定]→[割付設定]を開き、天井下地の項目内にある【角スタッド天井設定】から行ってください。

<角スタッドの取り回し設定>
初期設定では「0mm未満は取り回しを行う」=取り回しはしない設定になっています。
ここに数字を入れることで、〇〇㎜未満の短い角スタッドは設定した定尺から取り回して本数を出力します。
定尺より長い寸法は設定できませんのでご注意ください。

<ランナーの取り回し設定>
設定した定尺で取り回した本数が出力されます。


角スタッド天井を項目に追加する

入力画面の選択肢に角スタッド天井の項目がない場合は、追加登録が必要です。
以下の手順で登録してください。

【各種設定】‐【仕様設定】を開きます。

[天井下地設定]で角スタッド天井用の割付下地を用意します。
「野縁」「角スタッド」と設定します
「野縁間隔」スタッドの間隔を設定します
※野縁受けは自動では設置されないため、「野縁受間隔」は設定しても何も影響はありません。

部材拾いを行う場合は【部材登録】から詳細部材登録を行ってください。

詳細部材登録画面では下図のように設定を行います。
角スタッド部材は長さごとの集計を行うので、部材一覧の表で「高さ別集計」にチェックを入れておいてください。

根拠については在来工法の名称になっています。
角スタッド材の根拠は以下のように選択してください。

※1野縁受けと角スタッド材の交点の数
※2割付設定の「取り回し定尺」を定尺とした角スタッド材のジョイント数
※3割付設定の「ランナー定尺」を定尺としたランナー材のジョイント数

※天井の項目追加・部材登録の方法が分からない方はこちらのページも参照してください。




【平兵衛くん10】天井下地のフトコロ高別集計

≪この記事を読む前に…≫
こちらの『天井下地のフトコロ高別集計機能』は平兵衛くんVer10.08.001で追加されています。
お使いのバージョンがVer10.08.001未満の場合はアップデートを行ってください。
≫アップデート方法はこちら


天井下地の面積(㎡)を懐(フトコロ)高さ別に分けて集計することができます。
懐高さは、「スラブ高ー各部屋の天井高」で求められます。

スラブ高は図面ごとに設定可能です。


スラブ高の設定方法

①【各種設定】【割付設定】 を開きます。

②割付設定の「天井下地 フトコロ」欄で設定を行います。
集計を分ける単位と、図面ごとのスラブ高を設定します。

※「割付設定」の変更は他物件にも反映されます。つど設定をご確認ください。
※「割付設定」で設定したスラブ高は、間仕切りのスラブ高とは連動しません。


集計結果の確認

天井下地を懐高別に集計できるのは、『工種別集計表』と『部屋別明細表』の2つです。

<工種別集計の場合>
天井下地フトコロ高さ別に「分けて集計」にチェックを入れて集計をすると
天井下地の㎡数が懐高さごとに分かれて出力されます。

<部屋別明細表の場合>
「天井下地 懐高別内訳」にチェックを入れて集計すると
「天井下地 懐高別内訳」シートに出力されます。
「天井」の項目とは別にシートができますので、ご注意ください。


<吊りボルトを高さ別に分けて本数を拾いたい場合>

吊りボルトの本数を懐高さ別に分けて拾うことも可能です。
詳しくは下記ページをご参照ください。

【平兵衛くん10】吊りボルトを高さ別に集計する




【平兵衛くん】天井の断熱材を後から設定する

 <室設定で天井の断熱材を設定し忘れたまま部屋を入力してしまいました。後から設定することはできますか?

<はい、可能です。設定方法を2種類ご案内します。


≪設定方法1 部屋入力から設定≫

部屋入力から設定する方法です。
一部屋ずつ設定したい場合は、こちらの方法がおすすめです。
(部屋入力から設定する機能は平兵衛くんVER10.10.000から追加されました!以前のバージョンをお使いの場合はこちらを参照)

部屋入力モードに切り替えます。

①断熱材を設定したい部屋の上で右クリックします。
② 右側の情報画面(フローティングプロパティ画面)で断熱材を設定します。
③【適用】ボタンを押します。


≪設定方法2 チェックモードから設定≫

チェックモードから設定する方法です。
部屋をまとめて断熱材設定したい場合におすすめです。

チェックモードを開きます。

①表示を「室:天井」に設定します。
②上の表で、断熱材を設定したい部屋の条件を選択します。
③下の表に、上の表で選んだ条件の部屋一覧が表示されます。断熱材の項目を設定します。
④チェックモード画面を閉じると、変更が適用されます。

一括設定のポイント

表をドラッグすることで、一括編集画面が開きます。
同じ種類の断熱材をまとめて設定したい場合は、一括設定がおすすめです。


≪設定方法3 天井編集から設定≫

天井編集から設定する方法です。
VER10.10.000以前お使いの方で、一部屋ずつ断熱材設定したい場合は、こちらの方法をお使いください。

天井編集モードに切り替えます。

①断熱材を設定したい部屋の上で右クリックします。
②右側の情報画面(フローティングプロパティ画面)を【下地】タブに切り替えます。
③断熱材を設定します。
④【適用】ボタンを押します。




【平兵衛くん10】勾配天井の入力方法

※この記事は平兵衛くんVer10.07.000以上対象です。
お使いのバージョンがVer10.07.000未満の場合はアップデートを行ってください。
≫アップデート方法はこちら

勾配がある天井、斜めの天井の設定方法をご説明します。


≪設定方法≫

【天井編集】に入ります。
勾配をつけたい部屋の真ん中で右クリックし、【プロパティ】を開きます。

『勾配有り』にチェックを入れます。

W:勾配が掛かっている天井の幅
 H:天井の最高高さー最低高さ
を入力します。自動計算機能を使って求めることも可能です。
※勾配が分かっている場合は、W→10、H→勾配の数字(4寸の場合は4)と入れてもOK

④流れ方向にチェックを入れます。(図面で見た流れ方向)

【OK】で適用されます。

勾配の設定を行うと以下の数値に勾配が考慮されます。
・割付天井①②③、天井貼物、天井下地、天井断熱材の㎡数
・割付天井①②③の枚数

※天井貼物のm数、天井下地の割付には考慮されません。

壁ボードや間仕切りの㎡数は変わりません。
勾配部分の壁や間仕切りは、平均高さ*に設定してください。
*(最高高さ+最低高さ)÷2

壁の貼物(クロス)を設定している場合は、下記条件に合わせて設定してください。
貼物壁 根拠「室」の場合       ⇒天井編集プロパティの[壁面積補正]をプラスしてください。
貼物壁 根拠「壁ボード」の場合    ⇒壁ボードの高さを変えると貼物の㎡数も併せて変わります。
壁編集モードで貼物を拾っている場合  ⇒壁ボードと同様に壁貼物の高さを変えてください。
※根拠の確認方法はこちらから

≪割付タブからの設定について≫

部屋を右クリックで選択した場合、画面右の情報画面(フローティングプロパティ)⇒割付タブ⇒【設定】にも勾配の設定があります。
こちらは割付天井の枚数にのみ適用される設定です。
編集の際はご注意ください。




【平兵衛くん10】吊りボルトを高さ別に集計する

吊りボルトを懐高さ別に分けて本数を集計することができます。
吊りボルトの長さ(懐高さ)は、「スラブ高ー各部屋の天井高」で求められます。

高さ別の集計結果は「部材拾い集計」にて出力されます。
吊りボルトの長さ(高さ)ごとに分かれた本数を確認することができます。

吊りボルトを高さ別に集計するには以下の2か所にて設定が必要です。


設定箇所1:割付設定

①【各種設定】より「割付設定」画面を開きます。

②割付設定の「天井下地 フトコロ」欄で設定を行います。
集計を分ける単位と、図面ごとのスラブ高を設定します。

※「割付設定」の変更は、他物件にも反映されます。つど設定をご確認ください。


設定箇所2 詳細部材登録

1)既存物件で変更する場合

【各種設定】⇒「仕様設定」を選択します。

「割付天井下地設定」に切替え、右下の【部材登録】をクリックします。

メッセージを「OK」で進むと、「詳細部材登録」画面が出ます。

右下の「部材一覧」より吊りボルトの部材を探し、「高さ別集計」チェックを入れてください。
※絞り込み項目を「天井下地」にすると探しやすくなります。

このチェックが入っている部材のみ、高さごとに分けて集計されます。

チェックを入れ終わったら、「反映する」ボタンを押します。

※既存物件で設定する場合は、物件ごとに設定を行ってください。


2)今後の新規物件すべてに適用させたい場合

タイトル画面より【部材登録】を開きます。
【室拾い】→【仕様設定】に進み、1)と同様に登録を行ってください。


設定箇所1・2を設定後、集計を更新して結果を確認してください。