軽量鉄骨を工務店・住宅メーカーにOEM供給
サンヨーホームズは自社のプレハブ住宅に使用する「軽量鉄骨架構体システム」を、外部へ供給する。地域の工務店や住宅メーカー向けに、同システムのOEM(相手先ブランド)販売を始めた。大工不足などを背景に、自社製住宅以外に軽量鉄骨の提案を拡大する。工場の稼働率を上げる狙いもある。定期契約を増やし、2020年度に年間売上高20億円を目指す。
工務店などは木造住宅の施工が中心だが、大工不足の影響で構造部分だけを外注する「フレーミング」が始まっている。サンヨーホームズはフレーミングを軽量鉄骨で提案する。
同社は軽量鉄骨をOEMで販売するため、生産拠点のP&F本部(大阪府枚方市)にフロンティアビジネス部を2016年に設置し、準備を進めてきた。戸建て住宅に採用される軽量鉄骨は、耐震や耐久性能などに各社のノウハウがある。このため、自社製住宅に採用するのが一般的だったが、同社は業界に先がけて外販する。
軽量鉄骨住宅は法定耐用年数が木造住宅より長く、施主にとって資産価値も高い。また、長期住宅ローンの融資が受けやすく、市場は追い風だ。施工業者も工場からシステムとして出荷する高品質の鉄骨やパネルを利用し、短工期で施工できるなどの利点がある。
OEM販売は、地元密着で土地を所有する施主との関係が強い地域の工務店や住宅メーカーへの提案を強化し、受注を取り込む。ハウステンボス(長崎県佐世保市)にある「変なホテル」の構造部材に採用されている。
(2017/5/9)