24時間3Dモデル作製-アジア・セルビア・北米拠点で対応

鹿島は建築物の3次元(3D)モデリング技術である、ビルディング・インフォメーション・モデリング(BIM)によるBIMモデルの作製について、24時間体制を構築する。設計図からBIMモデルを作製する拠点を、セルビアと北米に設置する。既存のアジア3拠点と合わせ、時差を考慮して24時間作業ができるようにする。BIMモデルをすばやく現場に提供し、生産性の向上につなげる。

BIMはコンピューター上で作成した3Dの建物に、意匠や構造、設備、材料、コストなどの属性情報が入っているツール。建物の複雑な形状や配管などの干渉などを確認でき、施工をシミュレーションできるなど、現場でさまざまに活用できる。

鹿島はこのほど、セルビアの企業とBIMモデル作成について基本契約を結んだ。2017年度中に業務を始める見込み。北米地域については、業務を委託する企業を検討している。

鹿島は現在すべての建築現場でBIMを活用している。フィリピンと韓国、インドの現地企業と提携し、BIMモデルを作製する体制を構築済み。鹿島が送る建物の設計図から、各国の委託企業がBIMモデルを作製し、各建設現場で活用する。一部のBIMモデルは、子会社の鹿島クレス(東京都港区)が施工図に仕上げてから現場に提供する。

欧州、北米でもBIMモデルを作製できるようにすることにより世界で24時間、いずれかの拠点でBIMモデルを作製できる。従来より速く現場に提供できるようにし、生産性向上につなげていく。

(日刊工業新聞2017/1/12)