墨出し測量に眼鏡型ウェアラブル端末活用

大成建設が開発した眼鏡型ウエアラブル端末(身に付けて持ち歩くことができる情報端末)を活用した墨出し測量ナビゲーションシステム「T?Mark.Navi」が適用現場で大きな効果を発揮している。同システムを適用している新潟市の旧木山川排水機場建設工事では、これまで作業員2人1組で行っていた測量作業が1人で可能となったことに加え、作業時間も3割程度低減。墨出し測量作業の省人化・効率化で生産性向上に大きく貢献しているという。

T?Mark.Naviは、作業員のスマートフォンを中継端末にし、眼鏡型ウエアラブル端末と専用測量機器の間で情報を受け渡す仕組み。作業員が装着するウエアラブル端末の画面上に、測量機器で計測された現在位置と目標の測点までの誘導指示をリアルタイムに表示。作業員は位置情報を確認しながら目標の測点に移動し、「位置決定」などを音声で指示すると、測量機器が測点位置を記録し確認表示する。ウェアラブル端末の画面にも測量機器と同一情報を表示し、作業員に伝達する。

T?Mark.Naviによる作業状況

ウェアラブル端末上の表示画面

従来は2人1組で行われていた測量を1人で行えることで省人化が図られた上に、自分のタイミングで作業を進められるために作業時間も従来より30%程度短縮できているという。
さらに、これまで2人の作業日程を調整しなければ測量ができなかったが、1人の都合がつけば簡単にできるため、測量待ちによる工程遅れが発生することもなく、工事全体の円滑な進捗にもつながっている。
また測量記録データは自動で帳票化されるため、マンパワーが必要になる竣工検査時の出来形管理で省力化が図られる。現場職員の労働時間短縮など作業環境改善への効果が期待される。
(日刊建設工業新聞 2016/6/24)