建設現場管理にヘッドマウントディスプレーを活用

戸田建設は10月30日、建設現場の施工管理で頭部に装着して映像を映し出すウエアラブル端末「ヘッドマウントディスプレー」を活用する試みを始めたと発表した。端末は小型のディスプレーと映像カメラ、スピーカーマイクで構成され、装着した人が現場で見ている状況をリアルタイムで現場事務所やオフィスのパソコンから確認できる。現場で端末を装着する複数の人が情報を共有できるようにしたのが特徴で、業務の効率化につながることが期待されている。

建設現場で問題点を見つけた場合、離れた場所にある現場事務所まで戻って他の社員と確認・調整したり、指示を仰いだりするケースが多い。その手間を省く対策の一つがヘッドマウントディスプレー。従来型は、端末を装着した作業員から映像と音声を離れた場所にあるパソコンに送り、受信した人が作業員に指示を出す方法で使われている。

今回導入したヘッドマウントディスプレーは、複数台、複数メーカー同士の映像・音声情報を共有できるシステムを構築。現場で施工管理業務に当たる複数の社員が装着し情報共有することで、問題解決スピードを高め、生産性向上につながる。
端末の利用、システムの開発にはオリンパスメモリーワークス(東京都渋谷区、市川哲哉社長)とアイテック阪急阪神(大阪市福島区、浜田真希男社長)がそれぞれ協力した。

10月に2現場に導入、今月からさらに2現場で利用を開始する予定。活用状況を検証しながら、適用現場を増やしていく。共有された映像情報はデジタル保存が可能で、将来的には施工管理記録として活用することも想定しているという。
(2015/11/2日刊工業新聞
画像参考:『戸田建築HP』http://www.toda.co.jp/news/2015/20151030.html)