【坪拾い】入力の時のポイント②(移動やコピーを水平垂直方向に行う)

今回は、隠れた面積などを図面の余白部分に移動・コピーする際に使える機能をご紹介します。


下図は、バルコニーや玄関袖壁の面積を図面上に重ねて入力した後、余白部分に移動した状態です。
本当は入力した位置から水平に横へ移動させたかったのですが、左ドラッグではマウスが自由に動いてしまう為、目視で合わせてみましたが少しずれてしまいました。

坪拾いでは、入力対象を移動・コピーでマウスを左ドラッグをする際、以下のキーボードを押すと選択対象が今いる位置から「水平方向」「垂直方向」を固定して移動やコピーをすることが出来ます。
[Ctrl]キーを長押し:水平方向
[Alt]キーを長押し:垂直方向

この機能を利用すると、入力位置から水平方向・垂直方向に綺麗に配置させることが出来ます。

お客様にお渡しする資料として作成いただく場合は、きれいに位置も揃えたいですよね。
集計に影響はないことから必須の機能ではないですが、綺麗に入力するワンポイントとしてぜひご活用ください。


その他入力のポイント

【坪拾い】入力の時のポイント①(水平垂直/フリーモードの切り替え)
【坪拾い】入力の時のポイント③(Altキーで吸着)




【坪拾い】開口オフセットの使い方

開口オフセットとは、今入力されている位置から数値で開口位置を移動させる機能です。
屋根伏図でトップライトの開口をしたい場合などに便利です。


使い方

①外壁線の角に開口を配置します。

②開口を右クリックし、「開口オフセット」を選択します。

③オフセット画面に縦横に動かしたいサイズと方向を入力します。
サイズ(数値)→方向(矢印キー)→サイズ(数値)→方向(矢印キー)と入力します。
数値のところにカーソルを合わせた状態のまま矢印キーを入力するのがポイントです。
例:「910」「→」「2730」「↑」

④OK押すと指定した位置に開口が移動します。




【坪拾い】『屋根立面図』の拾い精度をあげる方法



◆こちらの記事を読む前に…

坪拾いでは、勾配が4寸以下の屋根は可能な限り『立面図モード』ではなく、寸法を指定して作成する『屋根伏図モード』にて拾っていただくことをお勧めしています。

坪拾いでは、手拾いと同様に、面積に対して勾配係数を後から掛けて屋根面積を算出しています。
『立面図モード』は見えている部分をなぞるだけで屋根面積や役物が拾えるため、操作が易しいというメリットがありますが、その反面、クリック位置のズレによる誤差が生じるため、寸法を指定して作図していく『屋根伏図モード』よりも拾いの精度が落ちる傾向にあります。

加えて、立面図で見えている勾配が緩やかな屋根面積は、実際の屋根面積よりもが小さくなるため、それに対して掛けられる勾配係数は、勾配が緩やかなほど大きくなります。

そのため、面積を入力する際のクリック位置のズレに対し、大きな勾配係数が掛けらることで、その差が開いていってしまうのです。これは”屋根伏図を作成せず、屋根伏の図面を直接なぞって拾う場合”も同様で、『屋根伏図モード』の場合は、勾配が”急”なものほど掛けられる勾配係数は大きくなります。

参考記事:屋根立面図モードと屋根伏図モードの違い


本記事では、上記の内容をご理解いただいたうえで、4寸以下の屋根を立面図モードで拾われるお客様に向け、拾いの精度を上げる方法をご紹介いたします。

◆ポイント1 面積の横幅をサイズ指定する

1.入力した屋根面積を右クリックし、【サイズ変更】を選択します。

2.サイズ変更画面が表示されます。クリックで入力された屋根面積のサイズそのまま(=勾配なし)が表示されています。
このとき軒などの長さが計算で求められる場合は、現在表示されている数値と見比べてみましょう。
スケール設定が間違っていなければ、そこまで大きな差はないはずです。サイズが分かる場合は数値自体を正しい数値に打ち換えて【OK】を押します。

(なぞったサイズが横幅17㎜ズレているため、修正している図)

もし大幅にサイズが異なる場合は、スケール設定を見直してみましょう。
参考:【坪拾い】スケール設定をやり直す


◆ポイント2 屋根の『流れ長さ』を設定する ※立面モード専用機能

流れ長さを測定する

ポイント1では、面積の横幅をサイズ指定しました。次は縦幅をサイズ指定したいところですよね。
しかしサイズ変更画面で出ている縦幅の数値は、図面をよく見てもサイズが分からないことが多く、本来の面積のサイズには関係ない数値のため、一旦無視します。
ここで注目するのは『流れ長さ』です。『流れ長さ』は、けらばの長さです。流れ長さも図面に載っていないことの方が多いですが、坪拾いの【マウス距離測定】を利用することで測ることが可能です。面積を入力した側面の図面から測ってみましょう。

下図のような南立面図の面積の流れ長さは、西立面図や東立面図から測ることが出来ます。

※マウス距離測定は、クリックした2点間の距離を測るため、多少の誤差は生じます。不安な場合は数回測って平均値を取ってみて下さい。

(マウス距離測定を使用している図)

流れ長さの設定方法

先ほど【マウス距離測定】で測った『流れ長さ』を設定します。

1.入力した屋根面積を右クリックし、【サイズ変更】を選択します。

2.サイズ変更画面が表示されます。サイズ変更画面の左下にある【流れ変更】を選択します。

3.流れ長さの数値を変更し、【OK】を押します。

(流れ長さを5115㎜に変更している図)



【坪拾い】割付の基準点を変更する

坪拾いで面積を入力すると、自動的に面積の左下からの割付になります。

右側から割付をしたい場合は、「基準点変更」を行います。


≪設定方法≫

①面積の上で右クリックし、「基準点設定」をクリックします。

②割付を開始したい点でクリックします。
キーボードの[Alt]キーを押しながらクリックすると、面積の頂点に吸着します。

割付の開始地点が変わりました。

<屋根の場合>

屋根の割付も同じく基準点変更が可能です。

屋根伏図の場合は、流れ方向に関わらず図面上から見て左下が割付開始点になっています。
そのため、軒先左下からの割付でも基準点変更が必要なケースがありますので、ご注意ください。




【坪拾い】軒天面積の入力方法

坪拾いで軒天面積を拾う方法です。
外壁立面図モードの「軒天面積」という拾い項目を使って拾うことが可能です。


≪入力方法≫

①左側の拾い項目一覧から、「軒天面積」を選びます。

②軒天の端から端を2点左クリックします。

③奥行を入力する画面が表示されます。軒天の奥行をmm単位で入力してください。

奥行き数値は、
南面・北面の場合→東西の立面図
東面・西面の場合→南北の立面図

から確認ができます。

軒天面積が入力されました。となりに奥行数値も表記されます。

軒天面積は
2点入力した長さ × 奥行 で面積を求める仕組みです。

そのため、結果の単位は㎡で出力されます。


★入力のポイント

北面・南面の軒天面積を屋根の端から端で拾った場合、
東面・西面の軒天面積は外壁から外壁までの距離で拾ってください。

外壁より外側の軒天は、他の面と重複するためです。
東西・南北のどちらかだけで取るようにしてください。




【坪拾い】四周あいじゃくりの取り回しについて

割付モード「四周あいじゃくり」について、ルールと注意点をご説明します。


「四周あいじゃくり」取り回しルールについて

板の上下左右の4方向にサネがあることを考慮して取り回す方法です。
通常サイディングと比べ、左右にもサネがあるため使用できる箇所が限定されます。

カットすると端材の右側はサネがなくなります。
よってこの端材の右隣にはサイディングはつけられません。
左隣にサイディングを設置する外壁の逆側には使用できるため、取り回しが可能です。

横にカットする場合も同様に、端材の上下左右どこのサネが残っているかを判断したうえで、取り回しを行います。

幅が狭くサネが不要な部分は、「詳細取り回し割付」ルールに則り取り 回します。
※「詳細取り回し割付」とは・・・サネを考慮せず、サイズのみ考慮して取り回す方法


「四周あいじゃくり」モードの注意点

上記ルールにより取り回せる箇所が限定されるため、目地位置により取り回しの効率が大幅に変わる場合があります。
そのため、目地の調整を必ず行ってください。

坪拾いでは、必ず面の左下を基準に割付を行います。
目地の調整をしないままだと、切物右側のサネが残った端材ばかりが残り、もう一つの面に取り回せません。

下記のような物件の場合、赤枠の端材はすべて取り回しできずに捨ててしまうためカット材だけで24枚必要です。

片方の面の割付開始位置(基準点)を右下に変更した例です。

青枠部分、同じ番号がついている板は一つの部材より取り回していることを意味します。
16枚のカット材で済んでいます。
基準点設定の方法はこちら


その他の取り回しルールについては下記記事を参照ください。

【坪拾い】「通常」と「詳細」は何が違う?割付モードの違い
【坪拾い】取り回しルールの選択